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「1人じゃないんだ I 」   さつきサマ
今は春。
犬夜叉一行は、楓の村に泊まっていた。
だが、もう十時だというのに、珊瑚が起きてこない。
弥勒 「かごめさま。」
かごめ「なに?」
弥勒 「珊瑚を起こさなくてもよいのですか?」
かごめ「疲れがたまっているはずだから、寝かしといてあげましょ」
弥勒 「そうですか・・・」
そういうと、かごめは外に出てしまった。
しばらくすると、寝ている珊瑚の声が聞こえた。
珊瑚 「こ…はく…琥珀…」
すごい汗だ。うなされている。
弥勒は珊瑚を起こすことにした。

珊瑚は琥珀の夢を見ていた。
琥珀が奈落のところに行ってしまう夢だった。
琥珀、行かないで、琥珀!
弥勒 「珊瑚!」
珊瑚 「んっ 法師・・・様?」
弥勒 「珊瑚、ずいぶんうなされていたが、大丈夫ですか?」
珊瑚 「う、うん。ありがとう。それより今何時?」
弥勒 「10時半くらいですかね。かごめさまが起こすなといいましたので」
珊瑚 「そう・・・」

そこに、犬夜叉たちが帰ってきた。
かごめ 「あっ 珊瑚ちゃん、起きたの?」
犬夜叉「まったく、いつまで寝てんだよ。ほら、行くぞ!」
珊瑚 「あっ うん。ゴメン…」
珊瑚が立ち上がろうとした。
くらっ…
珊瑚は弥勒の腕の中に倒れこんだ。
顔色が悪い。
弥勒 「珊瑚、どうした。」
弥勒が珊瑚のおでこに手を当ててみる。
熱い。
弥勒 「すごい熱だ。かごめさま、お薬を。犬夜叉、水を汲んで来てください」
かごめ 「うん!」
犬夜叉「お、おう…」
そのとき、楓と七宝が薬草つみからもどってきた。
楓  「どうした」
弥勒 「珊瑚が病気のようで…」

弥勒はすぐに、楓のふとんに珊瑚を寝かせ、かごめの薬を飲ませた。
弥勒 「珊瑚は私が見ていましょう。みなさんは、珊瑚の風邪がうつってはいけないので 外へ」
か・犬 「えっ。」
犬夜叉「おまえ、珊瑚と2人だけになって、なにかしようと思ってんだろ。」
弥勒 「心外な。いくら私でも、病気のおなごに手は出しませんよ。」
かごめ 「まぁいっか。じゃ、みんな行きましょ。弥勒様、しっかり看病してあげてね。」
弥勒 「わかりました。」
そしてみんなは小屋から出て行った。

珊瑚 「うっ、頭が痛い・・・ あれ、もう夜?あたし、どうしたんだろ。」
弥勒 「気が付きましたか。」
珊瑚 「!」
弥勒 「おまえ、すごい熱で倒れたんですよ」
珊瑚 「…なんにも覚えてないけど、またみんなに迷惑かけちゃったんだ。」
珊瑚が悲しそうな顔をする。
弥勒 「そんなことありませんよ。おまえのおかげで、私はもう一日休むことができたのです。」
そんな弥勒の言葉に、珊瑚は少しホッとした。
珊瑚 「・・・みんなは?」
弥勒 「風邪がうつってはいけませんので、となりの小屋で寝ていますよ。
     おまえももう少し寝ていなさい」
珊瑚 「法師様も、向こうでみんなと一緒に寝て。
     あたし、もう大丈夫だから。ゴホッ、ゴホッ!」
弥勒 「ほらほら、早く寝なさい。私はずっと おまえと一緒にいます。ですから安心しなさい。」
珊瑚 (よけい危ないような気がする…)
だが、横になったとたん、また眠気がおそってきた。
数分のうちに、珊瑚の寝息が聞こえてきた。

朝。
かごめ 「おっはよ〜!弥勒様。珊瑚ちゃんのようす、どう?」
弥勒  「はぁ、だいぶ熱も下がってきましたし、大丈夫でしょう。
      ただし、今日の出発は無理でしょうな…」
珊瑚  「ん。法師様、かごめちゃん。」
かごめ 「あっごめん!起こしちゃった?」
珊瑚  「そんなことないよ。あたしこそ、迷惑かけてゴメン。」
七宝  「珊瑚〜!大丈夫か?オラ、珊瑚が倒れたと聞いて、心配したぞ。」
珊瑚  「ごめんね。もう大丈夫だから、心配しないで」
犬夜叉 「おい、珊瑚。今日こそは出発するからな。」
珊瑚  「あぁ。」
かごめ  「なに言ってんのよ!珊瑚ちゃんは、まだ完全に治ってないのよ!
       珊瑚ちゃん、無理しなくていいのよ。」
珊瑚  「もう大丈夫だよ。はやく出発しよう・・・あっ」
倒れかけた珊瑚を、犬夜叉が支える。
犬夜叉 「わっ、おい、珊瑚、大丈夫か!」
弥勒  「やっぱり無理でしょう。
     珊瑚は私が見ておきますので、かごめさまたちは、先に出発してください。
     珊瑚が治ったら、すぐに追いかけますから。」
かごめ  「だめよ。私たちも残るわ。ねっ犬夜叉。」
犬夜叉 「あ〜〜っ?先に行くに決まってんだろ!珊瑚のことは弥勒に任せて…」
かごめ  「犬夜叉、おすわりっ!」
犬夜叉 「うぎゃっ!」
かごめ  「なんであんたって そう、思いやりがないわけ?
     弥勒様、私も珊瑚ちゃんの看病手伝うわ。」
弥勒   「それはそれは 助かります。」

そして、犬夜叉たち一行は、しばらく楓の村に寝泊りすることとなった。
珊瑚はまた、琥珀の夢を見ていた。

続く

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「1人じゃないんだ II」   さつきサマ
まただ。琥珀の夢。
もう何回目だろう。
こんな夢、いやだ。
琥珀、奈落のところなんかに行かないで。
記憶を失ったままでもいい。
早く戻ってきて・・・

珊瑚は目を開けた。
珊瑚 「ふぅ。」
珊瑚は目を開けるのが怖かったのだ。
もし、夢じゃなかったら…
珊瑚 「よっかた。夢だったんだね。」
頭を上げると、まだズキズキした。
となりでは、弥勒が座ったまま寝ていた。
珊瑚 (ずっと、看病してくれてたんだ。ゴメンね、法師様。)
そのとき、外から風が入ってきた。
珊瑚 「えっ?」
寝ている弥勒の後ろに、琥珀が立っていた。
珊瑚 「琥珀!琥珀なんだね。戻ってきてくれたんだね。」
珊瑚は琥珀が目に入ったときから、弥勒のことなど頭になかった。
珊瑚の目に涙が溢れる。
だが、琥珀のところに行けなかった。
体が…動いてくれない…止めているのか…行っちゃいけないのか…
しばらく声も無く、みつめあっていたが、突然琥珀が外に飛び出した。
珊瑚 「琥珀!」
珊瑚も琥珀を追いかけて外に出て行った。
体の反対を押し切って…

琥珀は川に出た。
珊瑚もすぐに追いついた。
めまいがする。今にも倒れそうだ。
だが、琥珀の目線の先には、妖怪がいた。
いつの間にか琥珀は消えていた。
珊瑚 「罠…だったのか…?」

続く

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「1人じゃないんだ III」   さつきサマ
珊瑚「罠…だったのか…?」
妖怪「待っていたぞ。妖怪退治屋。わしの父上は、おまえらに殺された。
    おまえの仲間はみんな殺されちまったらしいが、わしの怒りは
    3年前から消え失せることはねぇ。
    やっとおまえを始末する日が来た。さっさとくたばれ!」
妖怪は、毒を持つ前足で、珊瑚に切りかかってきた。
珊瑚「ちっ」
自分ではかわしたつもりだったが、やはり、熱のせいか、動きが鈍っている。
珊瑚「右腕をやられた…」
妖怪「次はよけられん!」

そのころ弥勒は…
弥勒「…珊…瑚…珊瑚!!どこに行った、あんな体で…
    ちくしょう!なんでおれは寝ちまったんだ!!」
弥勒は珊瑚を探した。
あてはないが、とにかく無我夢中で走った。
川にたどりついた。
そのとき、珊瑚の声が聞こえたような気がした。
(法師…様…たす…け…て…)
いた。
珊瑚は、妖怪の一刺しを食らう直前だった。
弥勒「珊瑚!」
弥勒は力いっぱいはまの札を投げた。
妖怪「ぐわぁぁぁぁぁ」
妖怪は粉となって消えた。
珊瑚は力なくそこに倒れた。
すんでのところで弥勒が支え、抱きしめる。
弥勒「なぜ、一人で行った…なぜ、わたしを起こさなかった…」
珊瑚「琥珀が…琥珀が…ごめんなさい!!!」
弥勒(妖怪のヤツ、琥珀を使っておびき寄せたのか…)
   「もういい。珊瑚。泣くんじゃない。おまえの美しい顔が、台無しではないか。」
珊瑚は弥勒の胸に顔をうずめて泣いていた。
弥勒「おまえ、怪我をしているではないか!小屋に戻りましょう。かごめ様たちを
   起こさなくては。」
弥勒は珊瑚を抱きかかえ、小屋に戻っていった。
珊瑚の熱は、どんどん上がってゆく。

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