「雪の降る道を・・・」   華恋サマ
雪の降る冬。
戦国時代にも雪が積もる…。
雪が積もった道を、歩く足音。
何人もの足音が「ザクザク」と鳴り、その音の後、歩いた道を見ると、足跡。
『やっぱり冬』と感じさせる雪。―

か「珊瑚ちゃ〜ん!」
珊「なに?」
か「もう少し歩いて休憩したら、雪遊びでもしよっか?」
珊「うん、いいね!しよう!」
七「オラもするっ!」
少女二人と、子供が一匹で、雪遊びをする約束をした。
弥「やれやれ…。まだ子供ですねぇ。」
犬「あぁ?」
弥「お前じゃありませんよ。七宝達のことです。」
犬「お前が言うことかよ?珊瑚にあんなこと言っといて…。」
弥「…なんのことです?」
犬「おい、てめぇ!覚えてないのかよ!」
かごめ達が笑いながらしゃべっている後ろで、犬夜叉が荒々しく弥勒を攻める。
弥「まさか…聞いていましたか?」
犬「…おめぇもあんなこと言うんだな〜。」
ニヤニヤしながら、弥勒を見る犬夜叉。
眉間に眉を寄せながら犬夜叉を変な目で睨む弥勒。
か「ねぇ、犬夜叉!ここらへんで、ちょっと休憩って…ダメかな…?」
珊瑚,七宝と話をしていたかごめが、犬夜叉に聞く。
弥「ここまで来たんですか〜。知らなかったな…。」
犬「そうらしいな。んじゃ休憩にすっか。」
か「やった〜♪珊瑚ちゃん、七宝ちゃん、雪遊びしよっ!」
珊「うん!待ってかごめちゃん!」
七「あぁあぁ…!待つんじゃ!」
かごめが走って行ったあとを珊瑚と七宝が追う。
弥「ふぅ〜…。 犬夜叉、ちょっと話しがある。」
犬「あぁ〜?おめぇの話しなんて、ど〜せ女のこったろ。聞きなくねぇよ。」
弥「いやっ。今度は真面目な話しだ…。」
犬「…。」
腕を組む犬夜叉が、真剣な顔で弥勒を見た。

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犬「んで〜?真面目な話しってのはどんな話しだ?」
弥「ん〜…。珊瑚のことだ。」
犬「珊瑚…?それなら、本人に話せよ。」
弥「…やっぱり…そのほうがいいか…。」
犬「なぁ〜んだおめぇ…。」
弥「あぁ、いい犬夜叉。私はやっぱり珊瑚に話します。」
犬「おう。」
弥勒が犬夜叉を呼んだが、「やっぱりやめた。」という感じで、犬夜叉に背を向け、歩き出した。

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か「珊瑚ちゃ〜ん!こっちこっち〜」
珊「かごめちゃん、早すぎ〜!」
七「かごめ〜!珊瑚〜!弥勒が来たぞー!」
珊「えっ?法師様…?」
か「もしかして、弥勒様も一緒に雪遊びとか〜?」
珊「まさか〜。あんな助平法師が…。」
変な目でまだ小さな弥勒を見た。
雪が降っている道を歩く音…。
どんどん近づいてくる足音。
さっきまで小さかった弥勒が、少しずつ大きくなってきた。
そして…珊瑚に近づいてきて…。

弥「珊瑚…ちょっと話しがあるんだが、、、」
珊「でも…。」
少し困ったような目でかごめを見る珊瑚。
か「いいよ珊瑚ちゃん!行ってきなよv」
優しく笑いかけるかごめに、珊瑚も微笑み、言葉では言ってないけど、『ありがとう』とかごめに伝えた。

二人で雪の道を歩いていると、後ろから誰かが着いてきてるような感覚がした。
ちょっと後ろを振り返って見ると…
珊「七宝!」
七「ギクッ!ばれたぁ〜」
か「あっ!ごめん。。七宝ちゃん、ほら行くよ!」
珊「って…、かごめちゃんまで!?」
か「ごめんなさい〜。今どっか行くから!」
と言って、七宝を抱えたまま、珊瑚達と逆方向へ向かって走るかごめ。
そんな姿を見て、少しだけ恥ずかしがる珊瑚。
(見てたんだ…///)
だんだんと頬が赤くなってきたため、真面目に弥勒を見れなくなってきた。
ただでさえ、こんな風に誘われたら、あんまり弥勒の顔を見れない珊瑚が。。。
雪が降っても寒くなくなってきた珊瑚。
赤くなりすぎて、逆に、熱くなるばかりだ。
チラッと弥勒を見た。
相変わらず弥勒は腕を組み、まっすぐ一点を見つめている。
そんな弥勒に、ただ赤面している珊瑚。
『話しってなに?』との一言も言えない珊瑚。
(もう〜…なんか言ってよ…法師様…///)
この気まずい空気をどうにかしてっ!と心から叫ぶ珊瑚。

それから、無言のまま二人並んで歩いている。
思い切って珊瑚が弥勒に声をかけた。
珊「ね…ねぇ!法師様…!どこ・・行くの…?///」
弥「…それは行ってからのお楽しみだ。」
珊「ふぅ〜ん…。」

『行ってからのお楽しみだ。』と言われて、少しドキドキする珊瑚。

(なんだろ…法師様…。どこ行くの…?)

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か「珊瑚ちゃん達…どこ行ったんだろうね…。」
犬「……。」
七「なんじゃ犬夜叉、黙るなんて犬夜叉に似合わないぞ。」
犬「なんだとぉ?!」
か「ねぇ犬夜叉、なにか知ってるんでしょ?」
犬「…別にぃ…?」
か「うそだぁ!犬夜叉はいっつも嘘つけないもん。顔に書いてある!
  『俺は知ってるぞ』みたいなことっ。」
犬「なっ…嘘なんかついてねぇよっ…!」
七「そういえば、さっき弥勒に話しがあるとか言われてついて行ってたぞ!」
か「や〜っぱりねぇ…。」
犬「…弥勒が、珊瑚のことで相談みてぇなことを言ってきやがったんだよ。」
 めんどくさそうに犬夜叉が言う。
か「へぇ〜。そうだったんだぁ。ちゃんと珊瑚ちゃんのことも考えてるんだね…。」
 七「あれでもな。」

珊「あ…!ここって…。」
何分後かに見えてきた、『雪の村』。
見るとこ見るとこ、雪で真っ白になっている。
家の屋根も雪で真っ白で、木も真っ白になっていた。
戦国時代には、『光のページェント』がないかわりに、『雪のページェント』があった。
雪も光のように、キラキラ光っていて、清らかな光で、心が緩やかになった。
息をすれば、白い「空気」が出てくる。
この村に住んでいる村人は、冬の季節には、いつもこんな綺麗な村に住んでいるのだろうか…。
なんて幸せな村なんだろう…。
珊「法師様…ここ…なんで知ってるの?」
弥「前、私が一人で奈落を探していたときに、この村を通りすがったんだ。」
珊「そうだんだ…。んじゃよかった〜」
弥「なぜだ…?」
珊「だって…他の女の人がいた所とかだったら…いやだし。」
弥「珊瑚…。」
珊「でも…他の女の人が絡んでるんじゃないんだよねっ!」
弥「あっ!間違えました。 女は『ここ』にいたんですよ。」
珊「え…。うそつきっ!!」
いきなり言われたことで、ショックを受ける珊瑚。
弥「ははは。すいません…。しかし、本当のことなんですよ、珊瑚。」
珊「もういいよ…。他の女の人と会ってくればいいじゃない!この…助平法師っ!!」
弥「あぁ…待って下さいよ!珊瑚!!」
と珊瑚の腕を引っ張った弥勒。
珊「なにさぁっ!!」
こっちを振り向いた珊瑚の瞳には涙が浮んでいた。
顔は赤くなって。

弥「珊瑚…。女とは…」
珊「いいよ!そんなこと…聞きたくないっ!!」
弥「いいから…落ち着いて聞くんだ。」
珊「っ……。」
弥「女とは…。珊瑚、お前の・・ことだ・・。」
珊「ぇ…!!」
弥「この村に住んではいないが…この村には来た。つまり、珊瑚、お前だ。」
珊「…っ。法師様の…バカーーー!!!」
『バカ』と言って、弥勒の背中を叩く珊瑚。
そんな珊瑚を見つめて、微笑みながら、『やめて下さい』と小声で言う。

弥「あまり叩くと、こうですよ…!」
珊「え…?」
“?”を出す珊瑚。 だが、一瞬にして、暖かいモノに包まれたような気がした。
弥勒が珊瑚を抱きしめたのだ。
珊「法師様…///」
真面目にこんなことをされたことがない珊瑚は、ますます赤面する。
弥勒は無口のまま、ただ珊瑚を抱きしめていた。
二人を見ると、雪の背景でとても綺麗な―『恋人』。
そんな二人は、映画にでも出そうなほど、綺麗だった。
『乙女』ともいうが、乙女なら、誰もが羨ましがることを、珊瑚は―された。。

愛する人と―、この『雪の道』を歩んで行こう。
あなたと一緒なら、この先どんなことがあっても怖くなんかない。
この季節になったら、毎年ここへ来てでも、あなたと二人になりたい。
二人なら、大丈夫だよね?
絶対、あたしはあなたと一緒だから―。
それから…もう一度、ちゃんと聞かせて下さい。―

珊「法師様…。あの…聞いていい?」
弥「愛してる…。」
珊「///…」
弥「違うか? このことを聞きたかったんだろ?」
珊「あたり…///」
弥「はぁ〜…。私はなんでもわかってしまうんだな〜。」
(『なんでもわかってしまう』…。なんて…ホントかな〜?)
珊「んじゃぁ、今あたしがどう思ってるか知ってる?」
弥「…。」
珊「わかんないんだ!嘘つきっ。 “愛してる”って思ってるんだけど///」
弥「おっ!わかった!」
珊「遅いって。」

―愛してるあなたと、一緒に行きたい。
あなたとなら、一緒に行けるから。―
雪の道を、これからの人生として、手を繋いで歩いて行こう。
あなたと共に―。

**END**
あとがき
終わりました〜!
結構早く終わって…o
ビクタ→(ビックリ)でしたっ!!笑
間違ってるとこあったら、ご了承下さい(*‐ ‐)(*_ _)ペコリ
すいません;;
これゎアヤからの、クリスマスプレゼントということで★
いつもお世話になっている、皆さんへ、読んでほしいので書きました♪
一応ミロサンというこで…w   
満足しない方もいると思いますが…
でゎ〜(逃走!

☆★Merry X’mas☆★
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 ↑2003年,12月25日(木) ↓
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管理人注:アヤ=華恋さん

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