「ヤキモチと花」   清香サマ
時は現代
かごめはテストの為 三日だけとの約束でこちらに帰ってきている
今日は試験最終日 かごめは足早に帰宅した

「ただいまっ お風呂沸いてるー?」
玄関を開けて中に入る 奥から出てきた草太が待ちかねたように声をかけた
「あっ!ねーちゃんおかえりー 犬の兄ちゃん来てるよ」
「ええっ!もう来てるの?あいつ」
その場で立ち止まり驚くかごめ
「うん さっきからねーちゃんの部屋で待ってるよ」
「そうなの?」
「なんか怒ってるみたいだよぉ・・・」
草太は2階を見上げる 
「はは・・・ゆっくりできないな・・・」
笑顔をひきつらせ、かごめは呟いた

「おっせーじゃねえかっっ!!」
自室のドアをかごめが開けるといきなり怒声が響く 
犬夜叉が苛ついた表情で立っていた
「もー犬夜叉!いちいち迎えに来ないでよ!今日帰るって言ってたでしょ!」
犬夜叉のいきなりの怒鳴り声に、かごめはムッとする
「うるせぇっ 待ってられっか!」
「もー 本当っ せっかちなんだから・・・」
かごめはカバンを下ろして着替えの用意を始めた
「おい・・・何してんだよ」
なにやら用意をしているかごめに 犬夜叉は声をかける
「今からお風呂に入るのよ、向こうじゃなかなか入れないし」
かごめはタンスから着替えを取り出す
「てめ・・・すぐ帰るんじゃねーのかよ」
苛立った顔で犬夜叉はかごめに詰め寄った
「すぐだから待ってて!」
「待てるかっ!」
犬夜叉は言う
かごめは立ち上がりいつもの言霊を口にした
「犬夜叉・・・おすわり」
「ふぎゃ!!」
ドシンという音と共に犬夜叉の体はかごめの足元にたたきつけられる 
「ごめんねー・・・」
着替えを持ったかごめは犬夜叉にそう言い残し、いそいそと部屋から出て行った

入浴をすませたかごめが部屋に戻ると 中で草太がブヨとじゃれていた
その横に座っている犬夜叉は、憮然とした表情で腕を組んでいる
「おまたせ犬夜叉 髪乾かすからちょっと待ってね」
(怒ってるだろうな・・・早く支度しなきゃ・・・)
犬夜叉を刺激しないよう、にこやかにかごめは声を掛ける
「ち っ・・・早くしろよ」
そんなかごめに不機嫌そうな声で犬夜叉は答えた

「おい・・・これはなんだ?」
時間をもてあましていた犬夜叉は
部屋の隅に転がっていた健康グッズを見つけ聞く
ドライアーで髪を乾かしていたかごめは犬夜叉の声に振り返った
「ああそれ?ツボ押しよ」
「つぼ?押す?なんだそれ?」
犬夜叉はその物を不思議そうにみつめる
「うーんと・・・まあ体が元気になる物ね」
手を止めたかごめは答える
「ねーちゃんが北条くんに貰ったやつだよね?」
二人の会話を聞いていた草太はかごめに言う
「えっ・・・ま、まあね・・・」
(草太のバカ!犬夜叉の前で北条君の名前を出すなんて!)
かごめの表情が一瞬こわばった
草太が言った言葉に反応して犬夜叉の顔が険しくなる
「・・・その、ほうじょうくんって誰だ?」
犬夜叉は険しい表情で草太に訊ねた
「ねーちゃんにいつもいろんな物をくれる人だよ!」
そんな犬夜叉に草太は無邪気な顔で答える
それを聞いたかごめは草太の方を向き、慌てた声で言った
「そそ草太っ!ブヨつれて下に行ってなさい!」
(これ以上ぺらぺら喋られちゃ困るっ!犬夜叉がまた怒りだしちゃうし・・・)
「えーどうして?」
草太は不満そうな顔をかごめに向ける
「いいからっ!」
「ちえー・・・」
ため息をつくと草太は部屋から出て行った

「さっ犬夜叉 今すぐむこうに行く準備するからね!」
今までの雰囲気を振り払うようにかごめは明るく言う
「誰だよ・・・そのほうじょうって奴は」
険しい表情のままの犬夜叉はかごめに聞いてきた
「ただの友達よ、私が学校を休みがちだから
心配していろいろ元気になれる物をくれる・・・それだけ」
犬夜叉の視線を逸らし、かごめは答える
「本当か?」
犬夜叉は更に聞く
「・・・本当よ」
(実はデートした事があるなんて言えない・・・)
「・・・なーんか隠してないか?」
犬夜叉は不審の目を向ける
「かっ・・・隠してなんかないわよ!」
(こういう時は鋭いわね・・・)
「そおかぁ・・・?」
犬夜叉は腕を組み疑わしそうにかごめを見る
「だいたいあんたはねぇ・・・!」
「ねーちゃーん!」
かごめが反論しかけたところに 再び草太が部屋に入ってきた
「なによ草太!下に行ってなさいって言ったでしょ」
「そうだけど・・・ねーちゃんにお客さんだよ」
かごめに怒られた草太は小声になりながらも言う
「誰よ?」
「北条くん」
「えっっ・・・!」
(なんでこんな時に・・・タイミング悪い・・・)
かごめの顔がこわばった
「玄関の所で待ってるよ・・・」
「すぐ行くって言っといて!」
「うん わかった」
草太は返事をすると下に降りていった

「犬夜叉、すぐ戻るからこの部屋でおとなしく待っててね」
にっこりと笑顔をつくりかごめは言う
「おい・・・今来てるのが そのほうじょうって奴なのか?」
更に険しい表情になった犬夜叉は訊ねる
「え・・・そ、そうかな?違う人じゃない?とにかくっ!あんたはここで
待ってるのよ!!」
犬夜叉に忠告すると、かごめはバタバタと部屋から出ていった

「なんでぇ・・・かごめのやつ」
部屋に残された犬夜叉は、腕を組み不満声でつぶやく
(かごめ・・・やけに焦ってなかったか? どんな奴なんだ?
そのほうじょうって奴は・・・)
「よし・・・」
(そのツラおがんでやろーじゃねーか!)
犬夜叉はそろりと窓から出ると 玄関が見下ろせる方の屋根に飛び移った 
そして玄関先にいるかごめと もう一人の人物の様子をうかがう・・・

「北条君 どうしたの?」
辺りの様子を見ながらかごめは言う 
目の前の少年は いつもの様に人当たりの良い笑顔で立っていた
「今日、日暮に渡したい物があったんだけど 学校で渡せなかったから
家まで来たんだ」
「あ、ありがとう 何かな?」
(なにも今日でなくていいのに・・・)
かごめは苦笑をうかべる
「栄養ドリンク、日暮元気なかったからさ」
少年はリボンのかかった栄養ドリンクをかごめに手渡した
「はは・・・ありがとう」
(無理ないわよ・・・こっちきてから二晩徹夜したんだもん・・・)
かごめは苦笑しながら、それを受け取った

(なんでぇ・・・かごめのやつニコニコしやがって・・・)
犬夜叉はそんな二人の様子を、面白くなさそうな顔で屋根から見ていた
「あいつがほうじょうって奴か・・・?かごめに何かわたしてるな・・・」
しばらくして少年は帰っていく  見送っていたかごめが屋根を見上げた
「!!やべぇっ!!」
犬夜叉は慌てて隣の木に飛び移ると そのまま井戸の方へ一目散に下りて行った
(犬夜叉・・・?気のせいよね部屋にいるはずだし)
かごめが部屋に戻ると犬夜叉の姿はなかった
「あれ・・・先帰ったのかな? もーさんざん文句言っといて!」
かごめは憮然と言い 戦国時代に持っていく物をリュックに詰めはじめた

一方 戦国時代 犬夜叉はこちらに帰ってきていた

「なんでぃ・・・なんでおれが逃げなきゃいけねーんだ・・・だいたいあいつ
かごめのなんなんだ・・・」
犬夜叉は憮然とした顔でぶつぶつとつぶやく
「おや犬夜叉、かごめ様を迎えに行ったのではないのですか?」
少し歩いたところで 近くにいた弥勒に声を掛けられた
「けっ、あいつがおせーから先帰ってきたんだよ」
苛ついた表情で犬夜叉は言う
「そうですか・・・ところで犬夜叉、向こうでなにかありましたか?」
いつもの穏やかな顔で、何かを察したかのように弥勒が訊ねた
「・・・なんもねーよ・・・」
(こいつ・・・相変わらず鋭いな)
犬夜叉は、普段から人の心情に鋭いこの法師にぶっきらぼうな声で答える
「おや?そうですか それならよいのですが・・・」
弥勒は身をひるがえし、村へ帰ろうとした
「ちょ・・・ちょっと待て」
それを犬夜叉が呼び止める
「なんですか?犬夜叉」
弥勒はにっこりと微笑み振り返った

「その・・・女にたくさん物をくれる男ってのはどんな男だ?」
(こいつだったら かごめとほうじょうって奴の関係がわかるかもしれない)
口ごもりながら犬夜叉は弥勒に訊ねる
思いがけない問いかけに 少し驚いた様子の弥勒はこう言った
「はぁ・・・? ・・・まあ・・・そうですな・・・例外もあるでしょうが 
たいていはそのおなごに好意を寄せてる男でしょうな」
「なっ!なんだとぉ!!」
(かごめのことを好きだと!あの野郎・・・!)
犬夜叉の顔が紅潮する
「どうしたのです? わたしはただ一般論を言っただけですが」
静かな声で弥勒は返す
動揺する気持ちを悟られないよう、犬夜叉は更に弥勒に尋ねた
「うっ・・・そ、それでよ・・・その物をもらった女の方は その男のことを・・・
好きに・・・なったりするのか?」
弥勒は少し考えて答える
「まぁ・・・一概には言えませんが 悪い気はしないでしょうな」
「どーゆーことでぃ?」
犬夜叉は身を乗り出す
「・・・つまり好きになってしまうことも 無きにしもあらず・・・
といったところでしょうか」
「なっ・・・なにぃっ!!!」
かごめがあの野郎を好きになるだと!)
弥勒の返答を聞いた犬夜叉の身はぶるぶる震えだす そして・・・
「もぅいいっ!」
吐き捨てるようにに弥勒に言い放つと 犬夜叉は足早に駆けて行った

「法師さま」
先程から二人のやり取りを見ていた珊瑚が弥勒に声をかける
「どうしたの?犬夜叉やたらカリカリしてなかった?
私にも気づかなかったみたいだし」
「まあ・・・向こうでなにかあったんでしょうな」
弥勒は答える
「なにかって?」
「大方 かごめ様を好いてる男が向こうにもいたということでしょうな」
「へえ・・・犬夜叉それでイラついてんの」
呆れ顔で珊瑚は言う
「あの男は独占欲が強そうですからな」
弥勒は犬夜叉が走って行った方向を眺める
「ほーんと・・・自分のことはさて置きね・・・」
「ま、ほおっておくのが一番でしょう」
そう言い弥勒は村の方に歩き出す
「でも・・・いいの?二人が喧嘩になったら またかごめちゃん
向こうに帰っちゃうよ?」
弥勒と並んで歩きながら心配顔で珊瑚は言う
「大丈夫ですよ 鋼牙のことで喧嘩した件で あの男も
少しは勉強したでしょうから・・・」
「そうかなあ・・・」
珊瑚は首を傾げる
「おそらく・・・さ、村に戻りましょう もうすぐ日暮れだ」
弥勒は珊瑚を促すと村へ帰って行った

珊瑚と弥勒が村へ帰ってからすぐ かごめが井戸から顔を出した
「もー重いっ!犬夜叉が待っててくれないから・・・」
大きなリュックを背負い ぶつぶつと文句を言いながらかごめは村へ戻っていった

村に着いてすぐのところに七宝が待っていた
「かごめー!帰ってきたのか?オラはさみしかったぞ・・・」
相変わらずの人なつっこい笑顔でかごめに飛びつく
「ごめーん七宝ちゃん遅くなって はい、おみやげ」
かごめはリュックから棒つき飴を取り出し七宝にわたした
「いつもすまんの オラこれが大好きじゃ!」
七宝は飴の包みをやぶり食べ始めた
「犬夜叉は?」
かごめは七宝に訊ねる
「帰ってきておらんぞ、一緒ではないのか?」
「迎えにはきたんだけど・・・先帰っちゃったみたいなの」
村の中を見渡しながらかごめは言う
「まったく・・・しょーがないやつじゃ!どこかで道草でもしとるのではないか?」
飴をくわえた七宝は憮然とした顔で答える
(犬夜叉・・・どこいったんだろ とりあえず楓ばーちゃん家に行こう 
帰ってきてるかもしれないし)
かごめは楓の家に戻って行った

「えっ!やっぱり犬夜叉帰ってないの?」
かごめは家の中にいた弥勒と珊瑚に訊ねる
「うん 井戸からは戻ってきてたようだけどここには帰ってないよ」
珊瑚は答える
「そうなの・・・」
(犬夜叉こっちには帰ってきてたんだ・・・)
「しかし・・・なにやらおかしなことを聞いてきましたな」
弥勒は言う
「おかしなことって?」
「物をいろいろくれる男を女は好きになるのか?などと聞いてましたね」
「犬夜叉・・・そんなこと言ってたの・・・」
(まさか・・・北条君のことじゃ・・・)
「それで弥勒さまは、なんて言ったの?」
かごめは弥勒に問いただす
「わたしはただ、悪い気はしないだろうと・・・こう申しましたが・・・」
「えええっ!犬夜叉にそんな事言ったの?」
(犬夜叉変に誤解しちゃうじゃない!)
「はい、一般論で」
きっぱりと弥勒は答えた
「そんな・・・」
(どうしよ・・・犬夜叉にそんな理屈通用しないし・・・あいつ絶対に誤解するわ)
「とにかくっ、私 犬夜叉を探してくる!」
かごめはリュックを下ろすと外に飛び出そうとした
「かごめちゃん!もう日が暮れるから気をつけてね」
珊瑚が心配そうな顔で声をかける
「わかった!珊瑚ちゃんありがとう!」
かごめは一目散に家の外に出て行った

「いーぬーやーしゃー!!」
村の中を探すが 犬夜叉は見つからない
かごめは方々走りまわり村はずれの小高い丘まで来た

「ふう・・・」
荒い息を静め腰をおろす
辺りは夕焼けに赤く染まり、少しずつ夜のとばりが降りようとしていた
「犬夜叉・・・どこに行ったんだろう?なんで帰ってこないの・・・?」
そうこうしてる内に辺りが暗くなり始める
(やだ・・・暗くなってきたわ 危ないからそろそろ帰らなきゃ
・・・犬夜叉本当にどこにいったの・・・)
「だいたいあいつが変な誤解するからいけないのよ・・・」
かごめはつぶやく すると・・・
「あぁ?おれがいつ変な誤解したってんだよ」
後ろからいつものぶっきらぼうな声がした
かごめは振り返る・・・犬夜叉が立っていた
「い、犬夜叉・・・あんたいつからそこにいたの?」
「はぁ?おめーがここにくる前からずっといたぞ」
憮然とした表情で犬夜叉は言う
「なぁんだ・・・心配させないでよ・・・」
かごめはため息をついた
「なに心配してたんだよ?」
「べ、べつに、あんた向こうから先帰っちゃったし 村にも帰ってないって
いうし・・・ちょっと心配しただけ」
「けっ・・・くだらねー」
そう言い、犬夜叉はかごめが座っている隣で横になった
「くだらないってなによ!これでもあちこち探したんだからね!」
ムッとしたかごめは言う
「そうか・・・悪かったな」
犬夜叉は目を閉じたまま返事をする
「う・・・うん」
(あれ?なんか犬夜叉素直だ)
かごめはいつになく素直な犬夜叉に驚いていた
そのまま犬夜叉はなにも言わず寝そべっていた
「ねぇ・・・犬夜叉」
たまらずかごめは声をかける
「なんだよ」
「怒って・・・ないの?」
「何をだよ」
犬夜叉は目をあける
「その・・・北条君のこと誤解してるんじゃないかなって思って・・・」
「ああ・・・そのことか 別に怒ってねぇ」
「そうなの?」
(てっきりヤキモチ焼いてるのかと思った)
思わぬ返答にかごめは不思議そうな顔をする
「お前は・・・あいつのこと別に好きとかじゃないんだろ?」
静かな声で犬夜叉は聞く
「あいつって北条君のこと?」
「そうだ」
「言ったでしょ ただの友達だって」
(やっぱり犬夜叉気になってたんだ・・・)
「そうだな・・・」
「別に物をくれるからって、私はその人を好きになったりしないよ
それに・・・」
「それに、なんだよ」
犬夜叉はゆっくり身を起こす
「好きじゃない人からもらったって・・・嬉しくないもん」
顔を赤く染め かごめは言った
「そ、そうかよ・・・」
犬夜叉も顔を赤らめる 
そしておもむろに袖口を探りだした
「これ・・・お前にやる」
出てきたのは犬夜叉に不似合いな一本の小さな花だった
「これ・・・どうしたの」
犬夜叉の突然の行動にかごめは唖然とする
「つ、摘んだんだよ・・・文句あっか」
花を差し出し、顔を真っ赤にした犬夜叉は言う 
「犬夜叉が・・・」
かごめは驚いた顔になる
「なんだよ・・・いらねーのか?」
「・・・いる・・・ありがとう」
かごめは犬夜叉から花を受け取った
「私・・・はじめて・・・好きな人からプレゼントもらったの」
花を大事そうに両手で包みながらかごめは言う
犬夜叉はかごめの言葉をくり返す
「好きな人・・・?」
かごめはうなずき犬夜叉を指差した
「すごく・・・嬉しいよ・・・ありがとう犬夜叉・・・」
「ばっ・・・こんな花くれーでいちいち感動すんな」
赤い顔をした犬夜叉はぶっきらぼうに言い放つ
「ありがとう・・・」
(本当に・・・嬉しい!)
かごめはそのまま犬夜叉の肩に寄り添った

いつのまにか日は沈み 空には星が瞬いていた
「ね・・・犬夜叉」
「なんだ?」
「ここで・・・何してたの?」
犬夜叉の肩に寄り添いながらかごめがたずねる
「うっ・・・ただ、アタマ冷やしてただけだ」
犬夜叉はかごめの質問に困惑した表情で答える
「なんで頭冷やしてたの?」
「べ、べつに・・・なんでもねぇっ!」
顔を真っ赤にした犬夜叉は言う
(まっ大方、ヤキモチ焼いた頭を冷やしてたんだろうけど・・・
 犬夜叉も鋼牙くんとのことで少しは大人になったかな?)
かごめはそんな犬夜叉の顔を上目づかいに見て、ふっと微笑んだ
「なんでぃ、ニコニコして」
かごめの微笑に気づいた犬夜叉は視線を反らすように顔を横に向ける
「なんでもない さっ、犬夜叉ご飯だし帰ろう」
かごめは犬夜叉の肩から離れ立ち上がった
「手、つないでいい?」
歩き出したかごめは犬夜叉に手をさしのべる
「まあ・・・今だけな」
そう言い犬夜叉はかごめの手を握り締めた

かごめの胸のポケットには
大好きな人からのかけがえのない贈り物が大切にしまってあった

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