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「仲間と共に・・・」   さつきサマ
ザッ・・・
珊瑚 (ちっ…囲まれた!)
珊瑚は妖怪たちに囲まれてしまった。
あいにく愛用の武器飛来骨は持っていない。
珊瑚 (法師様の所為だからね!)
妖怪 「グワァ!!」
珊瑚 「くっ・・・」
珊瑚は右によける。
今度は右から。
珊瑚 「ちっ…何匹いるんだ…」
妖怪 「グワ!!」
バシュッ
妖怪の鋭い爪が珊瑚の太ももを切り裂く。
珊瑚 「痛っ・・・・ちくしょ・・・」
珊瑚は動けなくなってしまった。
左右と後方を固められ、逃げ場がない。
妖怪 「グワァ!」
珊瑚 「っ・・・・」
バキッ
珊瑚 「!?」
珊瑚は恐る恐る顔を上げる。
鋼牙 「なにやってんだよ。」
そこにいたのは鋼牙。
珊瑚 「こ、鋼牙・・・」
妖怪 「ガァ!!」
妖怪が再び切りかかってきた。
鋼牙 「るせーんだよ!」
バキッ
ブチッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一瞬のうちに片付いてしまった。
珊瑚は足の痛みに耐えかねて座り込んだ。
鋼牙 「おぃ、珊瑚とか言ったな。おまえ、ひとりか?」
珊瑚 「そうだけど。」
鋼牙 「かごめはどこだ。」
珊瑚 「村。」
鋼牙 「おまえ、なんでひとりなんだ?」
珊瑚 「・・・・・・喧嘩。」
鋼牙 「・・・・法師とか?」
珊瑚 「うっ・・・・・・・・あんたには関係ないだろ?!」
鋼牙 「ふんっ・・・・・・・」
しばらく二人とも黙っていた。
鋼牙 「おい、おまえ、これからどうすんだ?」
珊瑚 「どうするって・・・」
珊瑚は自分の足に目を落とした。
血は止まっているらしい。
鋼牙 「歩ける歩けないはおいといて、おまえが帰りたいのか、帰りたくないのか、だ。」
珊瑚 「・・・・・・・・・・・・帰れない・・・法師様、引っぱたいてきちゃったから・・・」
鋼牙 「おまえ、よくやるよな。」

珊瑚がなぜ、ひとりで、しかも武器も持たずにこんな森の中にいるのか。
時をちょっと前にさかのぼってみる。

女A 「法師様、あたしの手相も見てください!」
女B 「あたしが先ですわよね!」
弥勒 「みなさんちゃんと見ますから、順番に・・・」
いつものことで、法師は村の女たちに囲まれていた。
そしてまた、いつものように近くの木陰で見ているのは珊瑚。
弥勒 「ほぅ。これは良い手相ですな。子宝にも恵まれています。
     ひとつ私の子を産んではくれませぬか。」
女C 「やだ、もう、法師様ったらぁ!」
珊瑚 (毎日毎日よくもまぁ懲りずに・・・)
珊瑚のイライラは募ってゆく。
弥勒 「あなたもこれまた良い手相で。
    すぐ近くにいる男がよい相手、と出ています。
    どうです?私なんて。」
女D 「キャーーッどうしようかしらぁ〜〜」
珊瑚がとうとうキレた。
手近にあった木の棒を拾い、思いっきり弥勒の頭に投げつけた。
たくさんの女に囲まれている所為か、気配が読み取れなかったらしい。
直撃。
弥勒 「つっ・・・・さ、珊瑚・・・」
女E 「法師様、だれです?あの女。」
弥勒 「はぁ・・・」
女たちの鋭い視線が珊瑚に集まる。
珊瑚はそんなこと気にせずに、弥勒の元へずんずん歩を進める。
珊瑚 「法師様!ちょっといい加減に――」
女F 「なによあんた。法師様を独り占めしないでくれる?!」
女G 「さっさとどっか行っちゃいなさいよ!」
珊瑚 「・・・・・・っ」
ぱちーーーんっ
珊瑚は思いきり弥勒の頬を引っぱたいた。
そして、そのまま森の中に姿を消した。
弥勒 「珊瑚・・・」

というわけだった。

鋼牙 「ったく。しゃーねーなっ。俺らが今寝床にしてる穴が近くにある。
    とりあえずそこに行く。けど、俺の仲間に食われたってしらねぇゼ。」
珊瑚 「なっ・・・・・(やだけど、帰るとこないし・・・)」
珊瑚は立ち上がった。
珊瑚 (もう、どうにでもなれ!)
鋼牙 「行くぞ。」
珊瑚 「・・・・・・・」
珊瑚はうなずいた。

珊瑚は歩けなかったので、鋼牙の背に乗った。
そして、一瞬で大きな穴にたどり着いた。
銀太 「鋼牙だ!」
ザッ
鋼牙 「よぅ、帰ったぜ。」
白角 「って、その女、かごめ姐さんの・・・」
鋼牙 「帰ることないって言うから連れてきた。食うなよ。」
銀太 「お、おぅ・・・鋼牙、心変わりか?」
白角 「それとも、フタマタ・・・」
ボコッ
ボコッ
銀太と白角の頭にはタンコブが。
鋼牙 「んなわけあるかよ。俺はかごめ一筋なんだよ。」
銀太 「ててて・・・ど、どーぞ珊瑚姐さん・・・」
珊瑚 「え、姐さんって・・・」
白角 「かごめ姐さんのお仲間なんすから。ささこちらへ。」
狼A 「結構別嬪じゃねーか、鋼牙。」
狼B 「あのかごめって女よりも上玉だぞ。」
ボコッ
バキッ
鋼牙 「んなわけあるか!!」
珊瑚 「そんなはっきり言わなくても・・・」
鋼牙 「おい、腹減った。なんか作れ。」
珊瑚 「なっ・・・」
鋼牙 「置いてやってんだから、それぐらいやれよな。」
珊瑚 「・・・・・・別にいいけど、なにつくんのさ。」
鋼牙 「それ、使えねぇか?」
鋼牙が指差した先には、大きなイノシシの死骸。
珊瑚 「こ、これ??」
鋼牙 「なんか文句あるか?」
珊瑚 「ある。あんたら毎日こんなの食べてるの?」
鋼牙 「たりめーだ。」
珊瑚 「野菜とか、木の実とかは?」
鋼牙 「食ってねーよ。」
珊瑚 「・・・・・・・・・・・・」
白角 「たまにはそーゆーのも食ってみてーなー。」
銀太 「だよな。毎日猪肉じゃ、なーんか胃がむかむかして・・・」
珊瑚 (あたりまえだ・・・)
    「じゃ、今晩ぐらいは木の実とか食べてみようよ。」
鋼牙 「おまえが作るんだ。勝手にしろ。」
珊瑚 「・・・はぁ・・・でも、木の実とか置いてんの?」
鋼牙 「あるわけねーだろ。」
珊瑚 「ったく。それでよく人に作れって言うね。じゃ、あたし採ってくるよ。」
鋼牙 「おまえ、歩けねーんだろ。」
珊瑚 「大丈夫だよ。」
鋼牙 「乗れ。ゆっくりされちゃ、こっちの腹が待てねーんだよ。」
珊瑚 「あ、そ。」

そして珊瑚は鋼牙の背に乗り木の実を探しに。
だがなかなか見つからない。
しばらく走り回ってるうちに、花畑に出た。
珊瑚 「わぁ・・・ね、鋼牙、ちょっと下ろして。」
鋼牙 「はぁ?あんでだよ。」
珊瑚 「いいだろ、ちょっとぐらい。」
鋼牙 「ったく。」
鋼牙はしぶしぶ珊瑚を下ろす。
珊瑚は、目を輝かせながら花の中へ。
珊瑚 (久しぶりだな、花畑。里の近くにあったんだよね。琥珀とも、よく遊んだな・・・)
しばらく珊瑚は花の中に埋もれて座っていた。
鋼牙 「もういいだろ?はやくしろ!腹減った。」
珊瑚 「あ、うん。アリガト。・・・・あ・・・琥珀!」
珊瑚は向こうに琥珀がいるのを見つけた。
琥珀もこちらに気が付いた。
そして、急いで向きを変え、走っていった。
珊瑚 「待って!琥珀!!」
珊瑚も追いかけた。
足の痛みなんか考えている余地もない。
鋼牙 「な゛っ・・・・ぉい、珊瑚・・・ったくあの野郎!」
鋼牙も追いかけた。
珊瑚 「琥珀!待って琥珀!」
琥珀 「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
    (姉上・・・・)
琥珀はもう記憶を取り戻している。
だからこそ、珊瑚には会えない。
しばらく走ると、崖が見えた。
琥珀 (ちくしょ・・・)
どこか隠れるところは、と探していると、神楽がいた。
神楽 「よぉ琥珀。なに焦ってんだよ。」
琥珀 「姉上が・・・」
神楽 「?!・・・・行くぞ。」
神楽は髪飾りを取り出し、飛んだ。
珊瑚 「琥珀っ・・・・・」
珊瑚はまだそこが崖だと気づいていない。
そのまま走る。
鋼牙 「バカ!おまえ!!」
鋼牙が珊瑚の手を掴んだ。
そのとき始めて珊瑚は自分が崖に落ちそうになっていたことに気が付いた。
上には琥珀と神楽が。
鋼牙 「神楽・・・」
珊瑚 「・・・・琥珀―――っっ!!」
珊瑚は泣いた。
鋼牙の胸で泣いた。
鋼牙 「おい、珊瑚・・・///」

やっと泣きやんだ珊瑚は、近くに木の実の木を見つけた。
珊瑚 「あ・・・・・」
珊瑚は黙ったまま木の実を採り、鋼牙と共に穴へ帰った。

銀太 「珊瑚姐さんが帰ったぞ!」
白角 「でもなんか、元気がないような・・・」
ザッ・・・
銀太 「珊瑚さん、なんかあったんすか?」
珊瑚 「なんにも・・・ないよ・・・」
鋼牙 「おい珊瑚。あいつ、おまえの弟か?」
珊瑚はうなずく。
珊瑚 「本当はもう死んでる・・・けど、奈落に四魂のカケラを埋め込まれて、今は奈落の命令に従ってる・・・
    記憶もなくして・・・」
鋼牙 「・・・・・四魂のカケラ・・・・」
珊瑚 「琥珀を取り戻したい・・・・」
鋼牙 「取り戻して、どうすんだよ。」
珊瑚 「え・・・・・・・・・・わからない・・けど、琥珀はあたしのたったひとりの弟だ・・・」
鋼牙 「あいつは、生きてていいやつなのか?」
珊瑚 「!?」
鋼牙 「違うんじゃねぇのか?俺だって・・・俺だって死んだ仲間を生き返らせてぇよ。」
銀太 「鋼牙・・・」
珊瑚 「ダメなんだよ。琥珀は、もう死んでる。それに、琥珀は何人もの人を殺した。
    生きてちゃいけないんだ・・・それでも、奈落にいいように使われているのはいやなんだ・・・」
鋼牙 「そいつは、いまのままが幸せなのかもしれねぇ。
    記憶が戻っちまえば、壊れちまうかもしれねぇ。
    このまま、奈落に殺されたほうが楽かもしれねぇんだ。」
珊瑚 「!?・・なんで?なんで殺されたほうが楽なの?!なんでよ!」
珊瑚の瞳から涙がこぼれる。
白角 「鋼牙のヤツ、女泣かしたぞ・・・」
鋼牙 「じゃあ聞くが、おまえ、そいつを取り戻したあとどうするんだよ。
    おまえが殺すのか?!弟を、自分の弟を殺せるのか?!」
珊瑚 「っ・・・・・・・・じゃあ、どうすればいいの?どうすればいいのさ・・・琥珀・・・」
珊瑚は泣き崩れた。
珊瑚 「琥珀っ・・・・・・」
    (あたし、いつからこんなに弱くなった?みんなの前で泣くようになった?)
白角 「鋼牙、女泣かすなよ・・・」
鋼牙 「るっせ。」

やっと泣きやんだ珊瑚は、もくもくと晩御飯を作り出した。
木の実を切る包丁の音は狼たちにも心地よかった。
珊瑚 「できた・・・」
珊瑚は料理を運んできた。
それをみた狼たちは目を見張った。
狼C 「ぅわっ俺、こんなメシ見たの初めてだっうまそー。」
狼D 「うめぇ!シアワセだ〜〜」
鋼牙 「・・・・なかなかだな・・・」
珊瑚はクスッと笑う。
これぐらいで・・・・

犬夜叉「おい弥勒。いくらなんでも珊瑚のやつ遅すぎやしねぇか?」
もう夜だ。
珊瑚の帰って来る気配はない。
かごめ「どうしちゃったのかしら・・・」
弥勒 「・・・・・・・・・・・探してきます・・・」
七宝 「ダメじゃ弥勒!もう暗くなっとる。弥勒まで迷ってしまうぞ!」
弥勒 「しかし・・・」
かごめ「朝まで待ちましょう?朝までに、帰って来るかもしれないし・・・」
犬夜叉「だな。」
弥勒 「・・・・・・・・・・・・・」

鋼牙 「おい。」
珊瑚 「・・・・」
珊瑚は無言のまま振り向く。
鋼牙 「今晩、これ着て寝とけ。」
鋼牙は珊瑚に狼の毛皮でできた毛布を放った。
珊瑚 「え・・・あ・・・ありがと・・・」
珊瑚は元気がなかった。
狼たちは、おいしいものを食べさしてくれた珊瑚をどうにかして励まそうとしているのだが、無駄な努力だった。
その晩、珊瑚は琥珀の夢を見た。

犬夜叉「よし、行くぞ!」
弥勒 「はい・・・」
朝になっても珊瑚は戻らなかった。
最後に珊瑚を見た弥勒。
確か、森の中に入っていった。
そこで一行は、森に入っていった。
ピクッ
森に入ってしばらく歩いた頃、犬夜叉の鼻が動いた。
犬夜叉「珊瑚の匂いだ・・・だが、近くにややこしいやつがいる・・」
犬夜叉は走っていってしまった。
かごめ「やだちょっと!犬夜叉!」
雲母 「ガォ!」
雲母が変化した。
弥勒とかごめは雲母に乗って犬夜叉を追いかけた。

珊瑚 「ん・・・・・」
銀太 「あ、珊瑚姐さん、起きました?」
珊瑚 「・・・ゴメン、起こしてくれればよかったのに・・・」
白角 「いやぁ、あんまりキモチよさそうに寝てたもんで・・・」
珊瑚 「え///」
鋼牙 「珊瑚。」
珊瑚 「・・・・・」
鋼牙 「ったく。迎えがきたようだぞ。」
珊瑚 「え・・・・」
ダッ
犬夜叉「やい痩せ狼!珊瑚はどこだ!」
犬夜叉たちがやってきた。
珊瑚 「あたしは・・・ここだよ・・・」
犬夜叉「珊瑚に手ぇださなかっただろうな!」
鋼牙 「だれが出すかバカヤロウ!」
鋼牙は犬夜叉のほうに走っていこうとした。
珊瑚 「待って。」
珊瑚が引き止めた。
珊瑚 「あたしが琥珀に会ったこと、ヒミツにしといて・・・」
鋼牙 「・・・いわねぇよ・・」
珊瑚 「ありがと・・・」
珊瑚は一行のもとへ歩いた。
なぜか寂しげな顔だった。
突然くるりと後ろを向いた。
珊瑚 「お世話になりました。」
鋼牙 「な゛っ・・・・・・・別に、たいしたことしてねぇよ。」
白角 「また着てください!」
銀太 「いつでも大歓迎です!」
珊瑚 「ありがとう。」
また珊瑚は向きを変えた。
だがその顔からは、いつもの輝きが消えていた。
珊瑚 「ごめんね、心配かけて・・・・」
犬夜叉「・・・おい痩せ狼!珊瑚になにかしたんじゃねーのか?!」
鋼牙 「やってねぇって言ってるだろぉが!」
犬夜叉「あんでこんなに元気ねぇんだよ。」
鋼牙 「う・・・・・・」
珊瑚 「あたしは大丈夫。鋼牙はなんにもしてない。あたしを泊めてくれただけ。
    ホントにそれだけだから。」
珊瑚は暗いままだ。
犬夜叉「・・・・おまえを信じる。」
珊瑚 「うん・・・・・」
珊瑚は弥勒のほうを向いた。
珊瑚 「法師様、昨日はゴメ――」
バッ
弥勒はイキナリ珊瑚を抱きしめた。
珊瑚 「あ///」
弥勒 「珊瑚・・・・すまない・・・・・・・・・・・・・」
珊瑚 「心配・・・した・・・?」
弥勒 「当たり前だ・・・・」
珊瑚 「ゴメンね・・・ひっぱたいたりして・・・」
弥勒 「いや・・・」
珊瑚は弥勒から離れた。
そして、再び鋼牙のほうに向き直った。
珊瑚 「あたし、いま自分がなにしたらいいのか、まだわからない。
    けど・・・必ず琥珀を取り戻す。いつまでも奈落のいいなりになんかさせとかない。」
鋼牙 「・・・・・・・・・・・ま、頑張りな。」
珊瑚 「・・ありがと・・・」
珊瑚が笑った。
その笑顔は、その場にいた全員の心を和ませた。

珊瑚 「みんな、ごめん。あたし、わからなかったんだ。
    琥珀が記憶を取り戻したら、どうしてあげるのが一番いいのか。
    ・・・実は、まだわかってないんだけど、いつか必ず見つかるから、
    焦らなくていいんじゃないかって思ったんだ。」
かごめ「珊瑚ちゃん・・・・」
珊瑚 「だから・・・答えが見つかるまで、みんな、一緒にいてくれる?」
かごめ「もちろんよ。」
弥勒 「私の場合は、答えが見つかってからも、ずっとですが。」
珊瑚 「ありがと・・・・うれしい・・・」
珊瑚の瞳から堪え切れなくなった涙が溢れた。

 あたしが弱くなった理由、わかったよ・・・
 みんながいてくれるからなんだね・・・
 だから、安心して涙が見せられるんだよね・・・
あとがき
一人ぼっちの珊瑚ちゃん。
それを鋼牙くんが助けます。
鋼牙くんの仲間たちは、みなさんとても優しくて。
みんなのおかげで答えを見つけられた珊瑚ちゃん。
本当に知りたかった答えは見つかっていないけど。
前向きに生きる珊瑚ちゃんの姿が書きたかったんです。

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