「…陽光(ヒカリ)…」   華恋サマ
朝、私は目覚めた。
明るい日差しが眩しかったからだ。
しかし、違う・・・・・・・・・・・・・・・・・
明るくて眩しくて・・・・・・・・・・そんな太陽だけじゃ、ない。
私はずっと名前を呼ばれていた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「法師様っ!!法師様ぁ・・・・・・・・・・・っ!!!!!」
その少女は何度も何度も私の名を呼んだ。
その少女の名は、「珊瑚」だ。・・・・・・・・・・・・・・・・・
妖怪退治屋をしていた珊瑚は、普段は普通の女子(おなご)だが、戦いの場では、
非常によく活躍してくれる、凄く強い、女子だ。
私は幾度となく、その少女に惹かれていたことに、全く気づかなかった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
“助平法師”や、“不良法師”という名で呼ばれた私は、確かにその通りだったのかもしれない。
勿論、今も変わった訳ではない───────────。
しかし、私は珊瑚に甘えていたのかもしれない。

暫く前、私は珊瑚と夫婦になる約束をしたのだ・・・・・・・・・・・・。
それできっと私は安心しきっていた。
“珊瑚は大丈夫だ”と。
その考えが実は、とても甘かったのかもしれない・・・・・・・・・・・・・。

「う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「法師様っっ!!!!!」
(なんだ・・・・・・・・・・・・・・・?
私は今、なにをしている・・・・・・・・・・・・・・・・?)
なにもない空(カラ)の世界で、私は彷徨っていた。
周りは真っ暗。
暗闇の世界。
誰もいない。
慣れていた空間、の筈。
だが今の私はとてつもなく、悲しかった。
寂しかった。冷たかった。
そして誰かが・・・・・・・・・・・
恋しかった。
<此処は一体・・・・・・・・・・・・・・・・何処なんだ?>
私は迷った。
掌を見てみた。
<風穴がっ・・・・・・・・・・・・・・・!?>
風穴が無かったのだ。
本当は嬉しい筈なのに。本当ならば踊り出したいのに。
なぜだか、全然嬉しくない。踊り出したくもない。
(なぜ?)
私は考えた。。
考えた先に想い浮かんだのは、
珊瑚という名の少女がいないからだった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・珊瑚っっ・・・・・・・・・・・・・・・!」
しかし返事はこない。
「珊瑚!珊瑚っ!珊瑚ーーーっ!!!」
それから何回愛しい名前を呼んだことか。
遂に、疲れてしまった。

─・・・・・・・・・・・あぁ・・・・・・・そうか・・・・・・・・・・・・。
私は死んだんだ・・・・・・・・・・・・・─。
あの時、珊瑚と二人っきりで森へ行ったとき・・・・・・・・・・・・・・・・・

<くくく・・・・・・・・・・・・久しぶりだな、法師よ。>
<っ・・・・・・・・・・奈落・・・・・・・・・・・・・!>
そこに現れたのは宿敵・奈落だった。。
ほんのちょっとの楽しい散歩だったつもりが、とんでもなく気分の一転した散歩になってしまった。
奈落に会った時点で、散歩の空気は一瞬にして終わったのだ。
<貴様・・・・・・・・・なにしに来やがった!!>
私は奈落に問う。
<ふっ・・・・・・・・・・・・。そんなこと聞かぬともわかるであろう。>
<奈落・・・・・・・・・お前っ・・・・・・・・・・・・。>
<貴様等を退治しに来たのだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。>

私と珊瑚、二人だけで奈落と戦ったのだ。
奈落と、と言っても、奈落の出す雑魚妖怪だったが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
百匹を裕に越す雑魚妖怪達は、容赦なく私たち二人に襲いかかってきた。
いくら日頃妖怪退治をしていようとも、何百匹も相手にするのはとても大変である。
全ての雑魚妖怪を倒したとき、奈落が刃向かってきた。
風穴を開いても、奈落には効くことはない。
最猛勝を出してきた。
息をはぁはぁと切らしながら、本物の奈落と戦った。
遂に限界まで達したとき、目眩がした・・・・・・・・・・・・
そのときだった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の腹を、鋭い牙が刺した・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ブシュッッ・・・・・・・・・・・・
<うっ・・・・・・・・・・・!>
<ほっ・・・・法師様ーーーー!!!!!!>
それから、吐血をし、腹からは大量な赤色が出てきた。
もうダメだ、と思った。

そんな時だった──────
今までの記憶が一気に頭を横切った・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
──そういえば、こんなこともあったなぁ・・・・・・・・・・・・・──
そう心の中で呟いた瞬間・・・・・・・・・・・・・・・・・・
急に眠たくなった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

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あとがき
雫月ちゃん!!『犬道楽』開設おめでとうございま〜すっっっ!!!!!!!!!!
この度、雫月ちゃんのホームページ、復活致しました☆((ヒュー☆
で、
祝!ということで、こんな駄作ですが小説書いてみましたwww笑
今回ゎ、『ミロサン中心』で書いておりまっする……V
でも、ミロサンでも、弥勒中心みたいな感ぢですねぇ(*゚Д゚*)
せっかくお祝いの記念なのに、こんなグロくてシリアスチックでごめんなさい……(*- -)(*_ _)ペコリ
でもまだ続きますのでっ!!w
最後らへんゎ超羅武2にしていきたいと思っておりますw
どうか宜しくお願い致します〜
ここまでお付き合いして下さった方々、本当に本当にありがとうございますっ♪
それでわぁ〜〜〜↑↑

作者:**華恋**

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「…陽光(ヒカリ)…闇の世界から」   華恋サマ
「珊瑚ちゃんっっっ!!!」
「あっ・・・・・・かごめちゃん・・・・・・・・・・・・。」
「弥勒はっ・・・・・・・・・・・・・!?」
犬夜叉とかごめが駆けつけてきた。
そしてひょこひょこと息を切らしながら歩いてきた子狐妖怪・七宝だ。
「・・・・・・・・・・・・・・弥勒・・・・・・・・・・・・?」
七宝は不思議な想いで名前を呼んだ。・・・・・・・・・・

───────皆の声が聞こえる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
呼んでいる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
私を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
なぜだ・・・・・・・・・・・・・・・。死んだ筈ではなかったのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
其処は真っ暗・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
黒い黒い・・・・・・・・・・・・・・・・・・上を見ても、あの青い空はなく・・・・・・・・・・・・・・
黒い穴に埋まっているかのようだった。。
穴に落ちた─────────?
そういえば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なぜ風穴が無くなっているんだ?
奈落を倒した訳ではない筈。
これは夢?それとも現実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
夢だとしたら私は・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うっっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「法師様っ!!!」
死んでないという事だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「珊・・・・・・・・・・・・っ瑚・・・・・・・・・・・・。」
苦しそうな弥勒の声がした・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「法師様ぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」
泣き出している珊瑚が、弥勒の手を握りしめた。
暖かい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
これは・・・・・・・・・・・・・誰の・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
「あっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
「法師様っっっ・・・・・・・・・・・・・!!!」
「珊瑚・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
「弥勒様・・・・・・・・・・・・。」
「弥勒・・・・・・・・・!お前なにをっ・・・・・・・・・・・・!!」
犬夜叉が言う。
「私は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・生きているのか・・・・・・・・・・?」
「そうだよっ!!法師様は生きてるんだよ!何言ってるのさ・・・・・・・・・っ。」
涙をいっぱい零しながら珊瑚が言った。。
「法師様の・・・・・・・・・・・・・馬鹿ぁ・・・・・っ・・・。」
「・・・・・・・・・・弥勒ぅ・・・・・・・・・・・・・・・。
おら・・・・・・・もしかしたらもう弥勒に会えないんじゃないかと・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
七宝が泣いていた・・・・・・・・・・・・

気づくと、もう赤い夕日が頭の上にあった。
弥勒は草むらに倒れていて、仲間が弥勒をじっと見ていた・・・・・・・・・・・・・・・・。
「珊瑚・・・・・・・・・・・・・・心配かけてすまなかったな・・・・・・・・・・・・。」
「ホントだよ・・・・・・・・・・・・・!」
コンコン。
かごめが犬夜叉の腕を叩く。
「あ?」
なにもわからない犬夜叉がかごめの顔を見た。
かごめはそんな鈍い犬夜叉の腕を引っ張って、
「七宝ちゃん、雲母。」
七宝と雲母も一緒に、その場を去った。
「あっ・・・・・・・・・・・・・ダメだよ、まだ起き上がっちゃ・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・珊瑚・・・・・・・・・・・・・・・・・。私は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

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「…陽光(ヒカリ)…光」   華恋サマ
「私は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ずっと・・・・・・・・・・・・・・独りで・・・・・・・・・・・・暗闇の中にいた・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「それは先程のことだけではないんだ・・・・・・・・・・・・・・・。」
「え・・・・・・・・・・・・・。」
「思えば私は・・・・・・・・・ずっと暗闇だった・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「法師様・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「それが・・・・・・・・・・・・・かごめ様や犬夜叉、七宝に出会って、少しずつ暗闇から抜け出していたんだ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「そして・・・・・・・・・・・・・珊瑚、お前に出会い、私はなにかを取り戻したような気がした。」
「えっ・・・・・・・・・・。あたし・・・・・・・?」
ちょっと頬を赤らめる珊瑚に、弥勒は微笑んだ。
バッ・・・・・・・・・・・・・
「えぇぇえええーーーーー!!!!ちょっとっ・・・・・!なにすんのさっっ///」
弥勒が珊瑚を押し倒した。
そのときの弥勒の顔は、今までに見たこともない位、暖かい、優しい笑顔で。
「あっはは♪冗談です。何もしませんよ。ただ・・・・・・・・・」
「もおっっ・・・・・・・・・・・///ただ?なんなのさっ?」
心地よい空気に、緑あふれる草むら。
草むらは心地よい布団のようだ。──────気持ちいい風が吹いた。
「この空を珊瑚と一緒に見たかったんですよ・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
草むらに寝転がりながら、見上げた久しぶりの空。
その言葉を発した弥勒の横顔は、どこか寂しげな表情だった。
でも・・・・・・・・・・・・・・笑っていた。
眩しすぎるくらいの太陽。
明るい日差し・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「・・・・・・こんな空を見ていると・・・・・・・・・・・・・・・・・争い事など本当にないようだ・・・・・・・・・・・・。」
「そうは思わないか?珊瑚。・・・・・・・・・・・どうしたのです?さっきから無言で。」
「あぁ・・・・・・・・・・・・・・、別に。大したことじゃないよ。
あたしも思うよ・・・・・・・・・・。本当に、この空を見てると、奈落とか、妖怪とか・・・・・・・・・・・・・・・
悪い奴はいないみたいだね・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
フワ〜・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・気持ちいいね、この風。」
「えぇ・・・・・・・本当に・・・・・・・・・・・・・。」
─────暗闇から抜け出せた理由はな、珊瑚・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、
「ねぇ、どっか行こうよ!今日は天気いいし。ねっ?」
─────お前が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
笑顔で語りかけてくる珊瑚。
────お前が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の【光】だからだよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・─────。
この笑顔をいつまでも大切にするために私は・・・・・・・・・・・・・・・・
「そうですね!たまには珊瑚と二人で散歩でもっ♪」
<お前に出会って、私はなにかを取り戻したような気がした。>
お前を一生・・・・・守りぬく・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ねぇねぇ犬夜叉!弥勒さまと珊瑚ちゃんって、お似合いよね。」
「ん・・・・・・・・・・?まぁな・・・・・・・・・・・・・・・・・。俺たちは?」
「えっ?お似合い・・・・・・・・・・・・・かなぁ///」
今の弥勒さまと珊瑚ちゃんの間に入る人なんて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この世にいないのだから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「珊瑚、これからは・・・・・・・・・・・ずっと一緒だな♪」
「うん。そうだねっ♪」

翌年、二人は目出度く(めでたく)祝言をあげました。

END

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