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「甘い一日」   さつきサマ
犬夜叉「ふぁ〜」
桜の木の上に寝転がって大きな欠伸をしているのは半妖犬夜叉。
かごめが実家に帰ってしまい、やることがない犬夜叉は、朝からずぅっとこの調子。
弥勒は村の広場に。
七宝は村の子供たちと川へ。
珊瑚は・・・

珊瑚 「はぁ。ちょっと甘すぎるかなー。法師様に、味見してもらおっと。」
珊瑚は出来たてのアンコが入ったナベを持って、外に出た。
そして、まだあの状態で寝ている犬夜叉を見つけた。
珊瑚 「犬夜叉〜!!」
犬夜叉は向こうを向いて寝転がっている。
そのまま振り向かない。
珊瑚 (かごめちゃんじゃないから無視?!ガキ!)
珊瑚は近くにナベを置き、木の傍に立った。
そして。
ダンッ
思い切り木を蹴った。
犬夜叉「うわっ・・・」
ズドーンッ
犬夜叉「テェ・・・」
犬夜叉がまっさかさまに落ちてきた。
桜の花びらがたくさん散った。
頭から落ちたらしく、頭を抱えている。
犬夜叉「珊瑚、てめぇ・・・」
珊瑚 「あんた、無視しただろ。」
犬夜叉「う・・・・」
珊瑚 「声をかけたのが、かごめちゃんか桔梗だったら、ちゃんと振り向いてただろ。」
犬夜叉「・・・・・・・・・・・・・」
珊瑚 「そりゃぁあたしは、かごめちゃんや桔梗みたいに・・・・・・・・・」
珊瑚の顔が曇る。
犬夜叉「な、なんだよ・・・」
珊瑚 「ううん、いい。ねぇ、法師様知らない?」
犬夜叉「おまえ、それだけのために俺を・・・・」
珊瑚 「ゴメンゴメンっっ。で、知ってるの?知らないの?」
犬夜叉「村だろ。いつものように――」
珊瑚 「もういい。」
犬夜叉「あ・・・・・・・・・・」
珊瑚 「・・・・・・・あ、あのね、犬夜叉。おはぎ作ろうと思ってるんだけど、アンコの甘さが決められなくてさっ
    ちょっと味見してくれない?」
犬夜叉「おはぎぃ?そんなも――」
珊瑚は文句を言おうとする犬夜叉の口に無理矢理アンコを押し込んだ。
犬夜叉「ん・・・・・・・・・・うめぇ・・・・」
珊瑚 「そう?」
犬夜叉「けど・・・ちょっと甘すぎやしねぇか?」
珊瑚 「やっぱそっかー。わかった、ありがと。」
珊瑚は立ち上がった。
犬夜叉「おい。」
珊瑚 「なに?」
犬夜叉「もうちょっとここにいろ///」
珊瑚 「はぁ?」
犬夜叉「あ゛ーも゛ーいい!!行け!」
クスッ・・・
珊瑚が笑う。
珊瑚 「犬夜叉、あんた、寂しいんだ。」
犬夜叉「な゛っ・・・んなことねーよ!!///」
珊瑚 「しょうがない。居てやるよ。」
珊瑚はにっこりと笑う。
犬夜叉「///けっ・・・」

しばらく二人とも、黙って座っていた。
珊瑚 「はぁ・・・・」
珊瑚がため息をひとつ。
犬夜叉「おまえ、いきてぇんだったら向こう行けよ。」
珊瑚 「ううん、違うよ。でもなんか――」
ゴォッ
突然突風が。
珊瑚 「あ・・・・・」
珊瑚の髪を結う結い紐が風に飛ばされてしまった。
あわてて手を伸ばすが届かない。
結い紐は風に乗り、犬夜叉が寝ていた木に引っかかってしまった。
珊瑚 「あーあ・・・」
珊瑚は風でなびく自分の髪をうっとうしそうになでた。
犬夜叉「ったく、しゃーねーな・・・」
犬夜叉が桜の木に歩み寄る。
珊瑚 「いいよ、別に・・まだ他のあるし。」
珊瑚は楓の小屋を指差した。
犬夜叉「今なきゃ困るだろ。」
トンッ
犬夜叉は軽く飛んで、結い紐をとった。
犬夜叉「ほらよ。」
珊瑚 「あ・・・ありがと・・・」
犬夜叉は珊瑚に結い紐を渡す。
と、そのとき、また突風が吹いた。
だが今度のは、さっきのものと比べ物にならないほど強かった。
桜の木からはたくさんの花びらが舞い散った。
そのすごい風に押され、犬夜叉は前に倒れる。
もともと足場はよくない。
犬夜叉「ぉ・・・・・・」
珊瑚 「きゃっ・・・」
犬夜叉は珊瑚の上に倒れこんだ。
ふたりの顔は近く、これは、誰が見ても犬夜叉が珊瑚に口付けをしようとしている格好だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シャラン・・・
金属音。
ふたりが顔をあげるとそこには弥勒が。
弥勒 「邪魔をしてすみませんでしたね。」
ふたりに冷ややかな目を向けながら、去っていった。
珊瑚 「ぁ///ちょ、ちょっと法師様・・・・・・・・あの・・犬夜叉・・・どいてくれる?」
犬夜叉「え、あ、わっワリィ!」
犬夜叉は飛び退いた。
珊瑚 「//////」
犬夜叉「//////」
珊瑚 「どうしよ・・・・」
犬夜叉「ヤベーとこ見られちまった・・・」
珊瑚 「かごめちゃんがいなくてよかったね・・・」
犬夜叉「まーな。」
ハァ・・・・
ふたりは大きくため息をはいた。

弥勒は小屋の中でイライラしていた。
弥勒 (ったく・・・犬夜叉の野郎、珊瑚になんてことを・・・)
ガタッ
戸をあけて珊瑚が恐る恐る入ってきた。
珊瑚 「あ、あの、法師様・・・えと・・・さっきのは・・その、誤解だから・・・」
弥勒 「・・・・・・・・・」
珊瑚 「・・・・・・・・・・やっぱり、信じてくれないよね・・・」
珊瑚は出て行ってしまった。
弥勒 「畜生・・・」

珊瑚は閉めた戸の前に座り込んだ。
珊瑚 (どうしよ・・・・・)

とりあえず、おはぎを作ることにした。
さきほど犬夜叉に味を見てもらったアンコの入ったナベに目を落とす。
珊瑚 (って、どこで料理すればいいんだ・・・)
ガタッ
珊瑚 「ひゃっ」
突然珊瑚がもたれかかっていた戸が開いた。
当然珊瑚は後ろに倒れる。
弥勒 「おっと。」
弥勒に支えられた。
珊瑚 「ほ、法師様・・・」
弥勒 「すいません。」
弥勒は行ってしまった。
珊瑚 (はぁ・・・でもこれで台所あいた。今のうちにつくろっかな。)
珊瑚は台所に向かい、アンコの味を変えてみた。
そして、おはぎを作り始めた。
珊瑚 「できた・・・」
まだ温かいできたてのおはぎを皿に盛る。
珊瑚 (法師様に、食べてもらいたいな・・・)
珊瑚の体は自然と外に向かっていた。
弥勒は川原に座っていた。
珊瑚 (いた・・・)
サクッ・・・
珊瑚は近づく。
珊瑚 「法師様。」
弥勒 「・・・・・・・・・・・」
弥勒は振り向かない。
珊瑚 「法師様ってば!」
弥勒 「・・・・・・なんですか?」
弥勒は振り向かずに言った。
珊瑚 「・・・・・・・あの・・・これ、作ったんだけど、食べてみて・・・・」
弥勒 「・・・・・・・・・」
珊瑚 「あ、あの、いらないならいいよ。ここ置いとくね。」
珊瑚は走っていってしまった。
弥勒 「・・・・・・・・・・」
弥勒は自分の後ろに置かれたおはぎをひとつとった。
弥勒 (・・・・まだ温かい・・・)
一口食べてみる。
甘さが口いっぱいに広がる。
弥勒 (うまい・・・・・・・・・・)
弥勒は考えた。
あれは、事故だった。
それはわかっている。
ちゃんと見ていたのだから。
だが許せない。
紅くなった珊瑚の頬、犬夜叉の頬。
ピクリとも動かない時間。
全てが許せない。
弥勒 (これが嫉妬なのか・・・)
弥勒は立ち上がった。
そして、珊瑚のもとへ向かった。

珊瑚 (法師様、食べてくれるかな・・・)

ザッ・・・
?!
珊瑚は振り向いた。
そこには弥勒がいた。
弥勒 「珊瑚・・・」
珊瑚 「法師様・・・」
弥勒はそっと、珊瑚の横に座った。
珊瑚 「あの・・・」
弥勒 「うまかった。」
珊瑚 「え・・・///」
弥勒 「少し甘すぎたがな・・・」
珊瑚 「あ・・・・ゴメン・・・」
弥勒 「・・・・・・・・・・今度は、わたしの味で作ってくれるか?」
珊瑚 「うん・・・・よろこんで・・・」
珊瑚は笑った。
許してくれた。
嬉しかった。
今度はちゃんと、口に合う味にしてあげようと、心から思った。

珊瑚 「ねぇ法師様。」
弥勒 「なんです?」
珊瑚 「あのおはぎ、全部食べたの?」
大きなおはぎが7個ほどあったはず。
弥勒 「はぁ。」
珊瑚 「え・・・よく食べれたね・・・」
弥勒 「小腹がすいていたもので。」
珊瑚 「小腹・・・?!」
あとがき
お料理上手な珊瑚ちゃん。
おいしいおはぎを作ってみましたー。
大人の弥勒には犬夜叉の味はちょっぴり甘すぎるんですよ。
今度は弥勒の味で、おはぎを作ってあげようと思う珊瑚ちゃんです。
甘ーい、甘ーい、一日になりました。

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